甲府市塩部3丁目の川崎松雄さん(86)は、1980年代に山中湖と河口湖で撮影したフジマリモの写真集を発刊しました。川崎さんはダイビング経験があり、県の調査団で撮影を担当。多数のフジマリモを収めた当時の水中写真を、デジタル処理して写真集に掲載しました。「子どもらが自然環境の大切さを学ぶ教材にしたい」と、山中湖村の小中学校に寄贈しました。
写真集の題名は「富士の湖とマリモ」。撮影期間は1980~87年。青々としたフジマリモが両湖の湖底で群生する様子やソフトボール大の球体となったフジマリモなどの写真約200点を収めました。
川崎さんは県や山中湖村による生態調査に協力したダイビング愛好会「甲府水中クラブ」に所属。約20年前から、自分で撮ったフジマリモの写真と映像のデジタル化を進めてきました。当時の写真が色鮮やかによみがえり、写真集の制作を決めました。
解説文の校正や文章の英訳で知人の協力を得て完成し、昨年末に200部を作成。調査関係者や甲府水中クラブの仲間らに配布したほか、県立図書館、甲府市立図書館に寄贈しました。10月26日には山中湖村の小中3校にも贈り、富士河口湖町の小中学校にも届ける予定です。映像も使い、地元の子どもらに当時の様子を語る機会ができることを期待しています。
フジマリモは県の天然記念物。以前は富士五湖で確認されましたが、生息環境の変化などで絶滅の恐れもあるといわれます。「当時の山中湖と河口湖の水中写真を見てあれほど多くのマリモが生息していたことを知り、驚く人は多いです。環境教育に役立ててほしいです」と話していました。
イベント名 | 80年代のフジマリモ デジタル処理、写真集刊行 |