レポート
2021.11.05

荒廃の森10年かけ再生

 甲州市塩山上小田原の市所有地に、化粧品販売のオルビス(東京都)や市などが整備を進めてきた「甲州市・オルビスの森」が完成しました。同社ボランティアが植林や遊歩道整備などを行い、荒廃した森林を10年かけて里山へと再生させました。市は一般に開放するほか、市内外の小学校の校外学習やイベントなどで活用していく予定といいます。
 市管財課によると、オルビスの森の整備は、ゴルフ場計画用地だった約100㌶が市に寄付されたことを受け、2011年1月、同社と市、公益財団法人「オイスカ」、市里山創造推進協議会で締結した森林整備協定に基づいて実施しました。
 同社は化粧品などの通信販売で商品カタログに多くの紙を使うことから、森林の保全を通した社会貢献の一環で取り組みました。これまでに計14回活動し、春の植林ではヒノキやクヌギなど約4160本を植えたほか、秋には間伐体験を実施。同社のボランティア延べ1300人が参加しました。
 森には周遊する約1㌔の遊歩道を整備。遊歩道内にはヨガ体験などのイベントスペースとして使える「木洩れ日のステージ」、森からの景色を一望できる「四季の展望台」やハーブ庭園も設けています。周辺には国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されている上条集落などがあり、豊かな自然を求める家族連れなどが訪れることが見込まれます。
 活動が認められ、市などは19年度、国土緑化推進機構の「ふれあいの森林づくり」で理事長賞に選ばれました。
 10月2日の活動でオルビスの森が完成。20日には完成記念式典が行われ、森林内の地図や観賞できる植物などを紹介する案内板が披露されました。同社の福島幹之取締役は「10年前は完成イメージが湧かなかったが、いい場所ができて良かったです」とあいさつ。鈴木幹夫市長は「自然とのふれあいをコンセプトに市内外から人を呼び込んでいきたい」と話しました。

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イベント名荒廃の森10年かけ再生
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