リサイクル業などの国土興産(韮崎市中田町小田川)が、使用済みポリエチレンフィルムを100%使用したポリ袋を開発しました。「使用済みを100%使用したポリ袋は珍しい」(同社)といい、2023年度のやまなし産業大賞で、優秀賞に選ばれました。
同社によると、運送会社ではパレット上の荷物が崩れないよう、ポリエチレンフィルムでまいてフォークリフトに載せており、大量のフィルムが排出されるといいます。使用済みフィルムから荷札のシールなどをはがして分別されたものを運送会社から買い取り、フィルムを樹脂ペレットに加工し、ポリ袋を製造しています。
荷札シールや紙くずの混入はポリ袋の強度不足につながり、油性ペンで字が書かれた部分の混入は透明度の低下につながるので、手作業で確認しながら除去しています。担当者は「リサイクル素材を100%使ったポリ袋の多くは、商品を作る過程で生じた規格外品などを再加工しており、使用済みのフィルムを100%使ったポリ袋は珍しい」と説明します。
袋の厚みは0・03ミリ。1枚当たりのCO2削減量は、45リットル袋で0・11キロ、70リットル袋で0・13キロ、90リットル袋で0・16キロになるといいます。
同社資源循環事業部の担当者は「運送会社で分別してもらうことで、資源として買い取って先方の収益にすることができる。将来的には他のポリエチレンフィルム以外の再利用にも取り組み、脱炭素社会の実現につなげたい」と話しています。