長崎幸太郎知事は10月11日、災害時の電力確保に関し、県内で小水力発電強靭(きょうじん)を増やして、台風などによる停電時に地域に電力を供給する仕組みを構築できないか検討する考えを明らかにしました。自民党県連が昭和町内で開いた研修会での講演で説明しました。非常用電源として活用できる電気自動車(EV)を公用車に導入する市町村を財政支援する方針も示しました。
国土強靱(きょうじん)化をテーマに講演した長崎知事は「県内各地で太陽光発電(の整備)が限界に達しています」と指摘。市町村や事業者による小水力発電施設の整備を後押しする考えを説明。「いざというときには、スイッチを切り替えることで地域に電力を供給する形にできないか」と述べ、富士吉田市内で実証実験を検討しているとしました。
県は8月、昨年の台風15号により千葉県で長期にわたる大規模停電が起きたことを受け、電力供給体制強靱化戦略を策定。災害に強い電力供給システムをつくるとして、自立・分散型電源の普及や、大規模発電所に依存しない小規模なエネルギーネットワーク「地域マイクログリッド」の導入検討を盛り込んでいました。
戦略には、応急電源の確保も明記していて、EVを導入する市町村の支援はその一環。長崎知事は「財政的な余力があるか分からない」と断った上で、行政と災害時の協定を結ぶことを前提にタクシー会社など民間事業者のEV購入の助成も検討するとしました。
道路に関しては、災害で国道20号が通行止めになった際の代替道路として、道志村から相模原市に抜ける国道413号を災害に強い道路にする必要性を強調。雨量規制で地域が孤立するケースをなくすため、県内各地の道路を強靱化して雨量規制値を引き上げることも「今後の大きな課題だ」と述べました。
イベント名 | 災害時 小水力を活用 |