峡東漁業協同組合と国立研究開発法人水産研究・教育機構水産技術研究所などは10月27日までに、甲州市内を流れる日川に生息するアマゴとイワナの調査結果をまとめました。推定生息数は計1790匹。台風の影響で生息数が激減した2020年以降は2年連続の回復傾向にあり、担当者は「以前の生息数に戻ってきている」と分析しています。
組合などは5年前から日川でアマゴとイワナの推定生息数の推移を調べています。漁協大和支部によると、甲州市塩山上萩原の一の平橋から日川ダム下の約500メートルが調査対象。標識放流法と呼ばれる方法で、今年は6月中旬に水中に放電して魚を気絶させる電気ショッカーで捕獲したアマゴとイワナの全長を測り、背びれと尾びれの間にある「アブラビレ」を切って印をつけ、再び放流しました。
8月15日まで、調査範囲内で釣りをした人に釣れたアマゴとイワナのヒレの有無などを報告してもらい、137人からアマゴ274匹、イワナ442匹の釣果報告がありました。このうちヒレがない標識のアマゴは40匹、イワナは76匹でした。
漁協と同研究所は10月16日に同市のペンションすずらんで調査報告会を開き、標識の割合から推定生息数がアマゴ685匹、イワナ1105匹の計1790匹だったと報告。19年の台風で稚魚が流れてしまうなどの影響を受け、20年には545匹にまで減少したが、21年は1671匹、22年は1790匹と回復傾向にあることが分かりました。
同研究所の坪井潤一主任研究員は「日川の潜在能力の高さを再確認することができました。たくさんの人の協力があってこその調査なので感謝したいです」と話していました。
同研究所によると、市民参加型の標識放流法での調査は「世界的にも珍しい」(担当者)といい、来年6月に栃木県日光市で開催される国際イワナ学会で取り組みを発表する予定といいます。
イベント名 | 日川の魚 生息数回復 |