国立科学博物館は11月11日までに、淡水魚を飼育していた甲府市内の民家の水槽から、国内で新種のマリモが見つかったと発表しました。山中湖などでこれまで確認されていた「マリモ」「タテヤママリモ」に次いで3種目。同博物館は本栖湖産の二枚貝に付着していた短い糸状の藻が球状になったとみて、「モトスマリモ」と命名しました。
同博物館によると、3年前、淡水魚の「タイリクバラタナゴ」を飼育する甲府市内の民家の水槽で、マリモに似た藻類が大量に発生しているのが確認されました。調査したところ、一つの大きさは2~4センチ程度で、オランダの熱帯水族館や中国の河川などで見つかっているマリモ類の遺伝子配列と一致しました。これまで国内で報告がない種類だそうです。
モトスマリモが見つかった水槽ではタイリクバラタナゴの産卵床として本栖湖産の二枚貝を使っており、貝に付着していた藻が球状になったとみられます。同博物館はモトスマリモの詳しい生態の解明に向けて、富士五湖で潜水調査を行う予定。
国内のマリモを巡っては、北海道・阿寒湖や山中湖で「マリモ」、山中湖などで「タテヤママリモ」の2種が確認されています。山中湖に存在する県天然記念物「フジマリモ」は、「マリモ」か「タテヤママリモ」と同じ種と考えられるといいます。
調査に当たった同博物館の辻彰洋研究主幹(植物研究部)は「3種目のマリモ類の発見で、国立公園内にいる生物相を解明する糸口になればうれしいです」と話しています。
イベント名 | 新種マリモ 甲府で発見 本栖湖 採取の貝に付着か |