レポート
2020.07.20

恵み豊かな川へ再生探る

青木茂さん(65)は、富士川水系の河川環境を保全する関係者でつくる「富士川水系環境復元ネットワーク」の代表幹事に就任しました。「富士川が本来持つ豊かな恵みを享受できるよう、河川環境を探る調査や意見交換などの活動をしたい」と意気込んでいます。
 8年ほど前からサツキマスの釣れるスポットにしようと、川を下ってサツキマスに成長するアマゴの放流活動を続けています。3年前からサツキマスが釣れなくなり、「(富士川の)環境に異変が起きているのでは」と感じたといいます。
 静岡・駿河湾のサクラエビが記録的な不漁になっていることを報道で知り、川の濁りが増すごとにアユの釣果も悪くなっていることも友人から聞きました。「富士川水系の河川環境について真剣に考えるべきだ」と危機感を抱きました。
 国内外の山への豊富な登山経験を持ち、自然への見識は広い。「かつて富士川は、富士川舟運として重要な交通路になり栄えた。流域の農業用、工業用水として産業振興にも貢献してきた」といいます。
 「アユなどが釣れる川として、井伏鱒二もその魅力にとりつかれた」と解説。「多様な生物や川の文化を守らないといけない」と語っています。
 「川が濁っているのは、自然に土砂が崩れやすい側面があると思う」といいます。一方、富士川水系では、早川町の雨畑ダムに大量の土砂が堆積し、雨畑川左岸には産業廃棄物を含んだ汚泥が投棄された。「川の濁りには、業者による人的な要因も大きく影響している」と語ります。
 現在は、都留市の環境コンサルタントに依頼し、河川環境の良さを判断する「指標生物」の水生昆虫の生態を調査しています。今後は情報交換会も企画したいという。「流域に暮らす住民や行政、業者と意見を交わし、きれいな富士川の姿を考えたい」

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