小菅村は村内の民有林を活用し、マウンテンバイク(MTB)コースの整備に取り組んでいます。本年度には2コースが完成する予定です。村の総面積の9割以上を占める森林を活用し、子どもたちに遊びを通して森に関心を持ってもらい、将来的な林業の担い手確保にもつなげたい考えです。森には水源涵養機能があり、森を守ることは人々の暮らしや水、川や海の生態系を守ることにもつながります。
村では山林所有者が高齢化し、整備が進まずに森林荒廃のリスクが年々高まっています。村などによると、村の子どもたちも山で遊ぶ機会が減少しています。村は「持続的に村の美しい山林を維持するためには、若者世代が山に親しむ機会が必要」と分析して、2022年度から24年度までの3年計画でMTBのコース整備事業を進めています。
村が山林所有者から土地を借り、本年度には道の駅こすげ近くに初心者用のMTBコースをオープンさせます。MTBの扱い方に慣れてもらうため、村内の旧ゲートボール場にMTBの練習場も設ける予定です。
コースの設計は、村地域林政アドバイザーの大野航輔さんに依頼しました。木製コースの材料には村の間伐材を使い、小さな起伏がある「パンプトラック」も置きます。パンプトラックは持ち運びができるため、村内の自転車イベントでも活用する予定です。
村は山道でも楽に動かせる電動アシスト自転車を10台購入しました。林道も活用するなどして今後2年間でさらにコースを増やしたい考えです。
村担当者と大野さんは「子どもたちに楽しみながら森の魅力を感じてほしいです。山林整備の担い手としても手を挙げてほしいです」と話していました。