富士川の水量の目安「維持流量」を巡って、山梨、静岡両県の住民団体が6月10日、富士川水系で発電所を運営するアルミメーカーの日本軽金属(東京)に対し、速やかな維持流量の履行を求める1万247人分の署名を提出しました。
署名を提出したのはラフティング業者でつくる「富士川船頭組合」と、住民団体「水の流れがつなぐ市民連盟」。両団体は昨年7月から約8カ月間、山梨、静岡両県内を中心に署名活動を実施していました。
富士川の維持流量は昨年3月、国土交通省が河川法に基づき設定。山梨、静岡両県の計6区間で、区間ごとに月別の目安を設けています。一方で、現在は維持流量を履行する時期が定まっておらず、富士川の流量は維持流量の目安に達していないとのことです。
両団体は流域で発電所を運営する同社に対し、富士川で設定されたすべての区間で、河川流量に影響を及ぼしている堰堤取水量を調整し、渇水期でも決定された維持流量を満たす水量の放流をいち早く実現するよう求めています。
この日は両団体の代表者ら約10人が同社の蒲原製造所(身延町帯金)を訪れ、担当者に署名を手渡しました