レポート
2020.06.13

レジ袋有料、義務化前に広がる

 コンビニやドラッグストアなど大手小売店を中心に、相次いでスタートしているレジ袋有料化。山梨県内の小売店でも、政府が義務付ける7月より前倒しして始める動きが広がっています。有料の紙袋に切り替えたり、特製バッグを配布したりして、買い物客にエコバッグの持参を喚起。「環境を考えるきっかけに」と、理解を求めています。
 はくばくなどが運営する米・雑穀店「和穀菜汁 魁」(甲府市千塚2丁目)は、昨年10月の消費税率引き上げに合わせ、レジ袋を有料にしました。
 容量によって1枚3~5円。同店によると、無料配布をしていた時は月平均1250枚を消費していましたが、昨年10月以降は軒並み減少。4月の販売数は62枚にとどまりました。
 常連客のほとんどが、2008年5月のオープン時に記念品として配った、布製のマイバッグを持参。袋を持たない客も「手で持って行けるから」と、袋に入れずに購入品を持ち帰るといいます。手塚聡視店長(36)は「エコ意識が高い来店客が元々多かったが、有料化がさらに環境を考えるきっかけにもなり、皆協力的です」と話す。

◎紙袋に転換
 中央市井之口の「パン工房李音」は、4月1日からレジ袋を紙袋に切り替え、さらに有料化しました。
 栗山真弓店長は「有料化だけではレジ袋はなくなりません。環境のことを考えたら、使用を辞退した方がいいのでは」との考え。「エコバッグ」を使う意識が高まることを期待し、特製バッグを店内で販売したり、イベントでプレゼントしたりして、普及に努めています。
 「小さな働き掛けですが、その変化の積み重ねが周りを巻き込み大きな力になるはず。次の世代のために、できることからやっていきたいです」と話す。
 レジ袋だけでなく、プラスチック製品の使用をなくそうと試行錯誤する店もあります。植物性食材の食事を提供するカフェ「フルウント」(甲府市中央1丁目)。テークアウトやイベント出店で使用する皿を、紙製かリサイクル食器にして返却する仕組みを取り入れています。飲み物には、ストローやプラ製のふたを使わずに飲めるようデザインされた紙コップを導入しています。

◎経費が増大
 ただ、袋を例にすると、仕入れ値が1枚2円程度のプラ製レジ袋に対し、紙袋は1枚10円程度と割高。環境に配慮した分、経費が増し商品価格に転嫁せざるを得ません。同店経営の平野真吾さん(38)は「プラ製だったら安いのに、と悩む時もあるが、いずれは訪れる循環型社会への先行投資だと思いたい」と、胸の内を明かします。
 一方で、新型コロナウイルスの感染拡大が、レジ袋有料化の目的に「逆行する」との指摘もあります。外出自粛の動きでテークアウトに対応する飲食店が増え、デザイン性が高い紙製容器は争奪戦に。安価で扱いやすいプラ容器の利用がさらに広がっているといいます。平野さんは「プラごみ削減は、経営上どこも難しいタイミング。コロナ禍が過ぎた時の取り組み次第になるのではないか」とみています。

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イベント名レジ袋有料、義務化前に広がる
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