山中湖村教委は9月27日、県の天然記念物に指定されている、山中湖に生息するフジマリモの標本を展示する学習施設を整備する方針を明かしました。絶滅の恐れが指摘されているフジマリモを多くの人に見てもらい、湖の環境などについて考えてもらう機会とするとともに、繁殖の場としても活用したい考えです。
同日村役場で開かれた「山中湖フジマリモ生息調査検討委員会」で、村教委担当者が施設を整備する構想について説明しました。村教委によると、同村平野の文学の森公園内への整備を検討していて、名称は「まりもの館」などが候補となっています。来年度の実施設計を目指していますが、具体的な完成時期は未定といいます。
山中湖のフジマリモを巡っては、東京都の亀田良成さんが小学生時代の1956年に採取し、自宅で飼育していたマリモの一部を2012年に村などに寄贈。村は村内の小中学校などで展示していました。亀田さんの「(フジマリモを)山中湖に帰し、全面的な里帰りにしたい」との希望を受け、村はマリモを繁殖できる設備を整えることを検討していました。
一方、検討委では村と国立科学博物館が共同で5年に1度行っているマリモの生息状況などに関する調査について、今年10月中旬から11月にかけて実施することを確認しました。2019年の前回調査では、マリモの生息数が減少していることが確認されていて、湖の水温上昇など生育状況の悪化が原因とみられています。