甲府市上曽根町の新実戦空手道・宮川道場(宮川博人館長)が特定非営利活動法人「国際協力宮川道場」を立ち上げ、4月から本格的に始動しました。宮川館長が理事長を務めます。これまでも力を入れてきた途上国の若者支援をはじめ、生分解性プラスチック「PLA」製品の普及啓発などを軸に活動していきます。
宮川道場は1982年の設立以来、日本の伝統的な武道を修行しようと来日した途上国の若者らを年間4~5人、約30年間で計約150人を受け入れてきました。さらに昨年、コロナ禍で職を失った技能実習生2人を引き取り、生活の場を提供するとともに就職あっせんなどの支援も行いました。
個人で行ってきた支援を継続するため、活動に賛同する企業や支援者とともに特定非営利活動法人化することを決定。宮川理事長は「武道に関わらず、コロナ禍などで経済的に困窮している人たちの力になりたいです」と話します。
主な活動は、技能実習生ら海外からの若者支援、途上国のライフライン整備、少数民族・医療の支援、国連が提唱する「SDGs」17の目標に沿った貢献活動のほか、「今一番考えなくてはいけない環境問題」としてPLA製品の普及を挙げています。
PLAは植物由来の生分解性プラスチックで100%土に返ります。リサイクルすることでごみ削減や地球温暖化、海洋汚染の問題などに寄与します。自治体への啓発やイベントなどでの普及活動を進め、「山梨からPLAを発信したいです」と力を込めます。
宮川理事長は一昨年、古希を迎え道場の活動から一線を退きました。「道場の理念は『強く優しく』。これまで『強さ』を追い求めてきました。これからは『優しさ』の部分に力を入れ、社会貢献していきたいです」と話しています。