マグロの販売価格が高騰し、全国有数のマグロ消費量を誇る山梨県内の食卓に影響が出ています。昨年から続く不漁の影響で仕入れ値が上がり、販売価格に転嫁する小売店が出てきたためで、県民からは「家計の負担になる。購入回数を抑えています」などの声が上がります。
オギノ(本部・甲府市徳行1丁目)によると、キハダマグロのサクや角切りなどは5月ごろから段階的に価格を上げていて11月13日現在、昨年同期を約2割上回ります。スーパーのいちやまマート(本部・中央市若宮)も9月から約1割上げ、マグロ全品を4割引きする月1回の特売も昨年から2割引きに見直しました。
甲府市国母6丁目の海産物卸売「山梨中央水産」によると、取り扱うマグロの約7割を占めるキハダマグロは、仕入れ値が昨年10月から上がり続け、1キロ当たりの販売価格は昨年同期より約200円高くなっています。不漁が原因の一つで、日本近海の漁獲量は例年より約2割減だそうです。
県統計調査課によると、2014~16年家計調査で、甲府市は1世帯当たりのマグロの年間消費量が4024グラム(全国平均2252グラム)、支出額は9552円(全国平均5708円)となっています。いずれも全国の都道府県庁の所在地で静岡市に次ぎ2番目で、支出額は10年連続で2番目です。
甲斐市竜王の60代の主婦は3人の子どもが集う正月への影響を心配します。「みんなで中トロなどを楽しみたいが、今回は購入量を減らすことも考えないといけませんね」と話していました。