北杜市で暮らし2022年に亡くなった自然写真家、自然ジャーナリストの山口進さんをしのぶ企画展が、同市長坂町富岡のオオムラサキセンターで開かれています。山口さんは長年にわたって「ジャポニカ学習帳」の表紙写真撮影を務めたほか、自然ジャーナリストとして多くの論文・著作を残しました。センターの冨樫和孝館長は「自然の面白さや美しさなどを広く伝えた功績を、たくさんの人に知ってほしいです」と話しています。
企画展では、山口さんが表紙の撮影を担った1978~2012年のジャポニカ学習帳が並び、現在は絶版となっているハナカマキリやカブトムシが表紙のノートも見ることができます。また、山口さんが執筆した論文や著作も展示されています。
オオムラサキセンターにちなみ、オオムラサキの写真をジャポニカ学習帳の表紙に見立てたフォトスポットも設置。取材に訪れたこの日は、多くの家族連れらが記念撮影を楽しんでいました。
山口さんが撮影した昆虫写真はセンターが所有する標本と共に展示されています。山口さんが1980年代に使用していたフィルムカメラ、旅先で購入した土産品などもあり、生涯で地球約200周分の距離を移動した山口さんの足跡をたどることができます。
昆虫や自然の撮影をする傍ら、アリと共生関係を結ぶ5種類のシジミチョウの生態を研究し、写真集「五麗蝶譜」を発行するなど昆虫研究の第一人者としても活躍した山口さん。99年に北杜市に移住し、同センターでは講演会の講師を務めたこともあります。2022年に肝性脳症で死去するまで(享年74歳)、生涯をかけて自然の魅力を伝え、守っていくための活動に尽力しました。
企画展は山口さんの功績を振り返るとともに貴重な写真や資料を残そうと、センターと「昆虫植物写真家 山口進さんを慕う有志の会」が共催しました。8月31日までで、入館料のみで見ることができます。問い合わせは同センター、電話0551(32)6648。
イベント名 | 追悼 山口進展 |
日程 | 2024年8月31日まで |
場所 | オオムラサキセンター(北杜市長坂町) |
主催 | オオムラサキセンター、昆虫植物写真家 山口進さんを慕う有志の会 |