石おのなど原始的な道具で丸木舟造りなどに携わる大工雨宮国広さん(52)=甲州市塩山三日市場=が、富士河口湖町西湖のキャンプ場で、来場者に丸木舟の製作体験をしてもらう企画を始めました。来年4月までの週末のみ実施。雨宮さんは「旧石器時代の文化、技術での舟造りを通じ、自然環境を考えるきっかけにしてほしい」と話しています。
雨宮さんは20歳で大工になり、工務店で寺社建築などを手掛けた後に 独立しました。石おので丸木舟を造り、いろりで調理するなど縄文時代の暮らしを実践。2019年には石おので造った丸木舟で台湾から沖縄・与那国島までの約220キロの実験航海をしました。
今回は来年5月からの開催を予定している全国を巡って子どもたちと舟を造り、乗船体験するプロジェクトの前段イベント。丸木は8月下旬に巨木の産地で知られる愛知県東栄町で伐採したスギ。樹齢250年で、高さ約12メートル、重さ約10トン、直径約1・4メートルの状態で西湖畔まで運び出しました。
現在丸木を置いているキャンプ場は、協力が得られた同町西湖の「西湖キャンプビレッジ・ノーム」。毎週土、日曜日の午前10時から午後3時まで、雨宮さんが石おので丸木の樹皮をはぎ、樹皮に近い辺材と呼ばれる部位を削る作業を行います。来年4月までに全国ツアーで運搬できるよう4トンまで軽量化を図るそうです。
キャンプ場来場者は申し込みなしで、石おので作業を体験できます。10月2日に家族でキャンプに訪れた埼玉県内の小学校に通う松本安珠さん(11)は、雨宮さんに教わりながら石おので樹皮をはぐ作業を体験。「思ったより木は堅かった。完成した舟を見てみたい」と笑顔で汗をぬぐっていました。
イベント名 | 丸木舟造り体験企画 |
日程 | 来年4月までの週末のみ実施 |
場所 | 西湖キャンプビレッジ・ノーム |
主催 | 雨宮国広さん |