富士河口湖町大石の河口湖畔で8月2日、丸木舟の体験イベントが開かれ、地元の中高生らが試乗しました。舟は、国立科学博物館のチームが台湾から沖縄県・与那国島への渡航の際に使った丸木舟を手掛けた、甲州市塩山三日市場の大工雨宮国広さん(50)の手作り。
今回のイベントは、子どもたちに約3万年前の祖先の営みを体感してもらおうと、雨宮さんが中心となり初めて企画しました。
雨宮さんは20歳で大工になり、寺社建築や文化財修復を扱う工務所で伝統工法を習得。30歳で独立して以降、一般家屋の建築を手掛けながら、旧石器時代を中心とした原始の道具を再現し、丸木舟などを制作しています。
同博物館のチームは7月上旬、約3万年前、日本人の祖先がどのように海を越えたかを探る実験航海に挑戦。雨宮さんの丸木舟を使い、台湾から与那国島までの200キロ以上の航海を成功させました。
この日の体験イベントには地元の中高生ら約20人が参加。雨宮さんが手製の石器で作ったスギの丸木舟(長さ4・7メートル)に乗り、湖畔の一角を巡るなどしました。河口湖北中ボート部の3年斎藤陽さんは「オールの操作が難しかったけれど、楽しめた。昔の人たちはこういう舟を動かしていたと思うと、すごいと感じた」と話していました。
丸木舟のイベントは今後も随時開かれる予定。雨宮さんは「体験を通じて祖先に思いをはせ、今の生活を見つめ直すとともに、自然と調和することの大事さを知ってほしい」と話しています。
イベント名 | 河口湖畔で丸木舟の体験イベント |