富士川町鰍沢の住民が、生物が集まる自然空間「ビオトープ」を近くの水路に手作りしました。ザリガニやメダカなどがすむ川辺で、子どもが遊ぶ機会が減っていることから企画。水路には生き物のすみかとなる石や水草を配置していて、住民は「子どもには安全な場所での遊びを通じて、生態系に興味を持ってほしいです」と話しています。
住民や町によると、水路は地区が管理し、農業用に使われています。以前は小川でさまざまな生き物が生息していましたが、宅地開発に伴って一部の水路はコンクリート製になり、生物がいなくなったそうです。
生き物が生息できる環境を整えようと、近くに住む4家族が7月ごろから、全長20メートルの水路にビオトープを整備。休日を利用して町内の戸川で採った生き物を水路に放流。身を隠したり、えさを採ったりできる石や草を置きました。現在はハヤとザリガニ、ヤゴ、カジカ、サワガニ、ドジョウ、メダカが成育しているといいます。
整備した家族の子どもが毎日のように訪れ、素手や網で生物を捕まえて観察しています。鰍沢小5年の佐野哉太君と2年の佑河君の兄弟は「こんなに大きいザリガニは見たことがない」と笑顔で遊んでいました。6年の樋口穂実さんと2年望月絆愛さんは「いろいろな生き物を知ることができて楽しい」と話していました。
昔は水路の周辺を蛍が舞っていた時期もあるといいます。水路を整備した一人の佐野のぞみさん(40)は「生き物とふれあうことができるのは、子ども時代の経験として貴重。学びの場を大切に守っていきたいです」と話しています。
イベント名 | 生物が集まる自然空間「ビオトープ」を手作り |